オンライン交流会 体験会および第1回オンライン交流会 レポート

去る7月18日(木)14:00~15:00、メタバース上の架空の学校「メタバースAYAスクール」(通称アヤスク!)にて、「オンライン・ピアサポート体験会」が開催され、その一環として「オンライン・ピアサポート体験会」が実施された。

体験会当日の参加者は18名で、その内訳はがん患者体験者が10名(AYA世代が5名、元AYA世代が4名、成人罹患者が1名)、医療従事者が7名、オブザーバーが1名。アヤスク!で初めて開催されるピアサポート体験会ということもあり、最初は操作に不慣れな参加者も見受けられたが、治療や副作用の話題になると、それぞれが経験を語り合い、ピアサポートらしい交流が行われた。参加者からは、「いろいろな話ができた」「他の方の話を聞けてよかった」「アバターとニックネームのおかげで顔を出さずに参加でき、安心感があった」といった声が聞かれた。

また、事後アンケートでは、回答者全員(9名)が「満足」または「やや満足」と回答し、今後のアヤスク!のイベント参加についても全員が「参加したい」または「検討したい」と回答。

次に、仲間(ピア)と話してみたい内容としては、「仕事のこと」「家族との関係」「アピアランスのこと」が回答の半分を占め、次に「周囲との関係」「日常生活」「副作用や後遺症のこと」「悩みや心配ごと」と続いた。

さらに、運営を充実させるための課題として、利用者によって異なるインターネット環境の不具合や、アバターでの参加が顔を見せないことで安全感を与える一方、話を切り出すタイミングが難しかったなど、顔が見えないことによるコミュニケーションの難しさも見受けられた。しかし、「アヤスク!」に来校し、操作性に慣れ、交流が進むことで、こうした課題は徐々に改善されていくと思われる。

第1回目のオンライン交流会(ピアサポート)は8月28日(水)20:00~21:00に開催された。オンライン・ピアサポート体験会で課題に上がった「顔が見えないことによるコミュニケーションの難しさ」を軽減するため、リアクションボタンを活用するなど、アヤスク! オンライン交流会(ピアサポート)独自のルールを作成し、事前に参加者に共有した。

参加者はファシリテーターを含め5名。ファシリテーターや運営スタッフは、主にAYA世代でがんを体験した方が務めている。自己紹介のあとは雑談で話が弾み、セカンドバースデー(がんの手術を受けて新たな自分が生まれた日)の話題をきっかけに、ケーキやピザをテーブルに並べ、お祝いムードの中での交流会となった。

今年度は、「第1回オンライン交流会(ピアサポート)」を皮切りに、来年1月までに計6回のオンライン交流会が予定されている。開催時間は、基本的に毎月第4水曜日、偶数月は20:00~21:00、奇数月は14:00~15:00となっている。

まずは、このような取り組みがあることを広く知っていただき、病院などでは出会うチャンスが限られているAYA世代のがん体験者にとって、気軽に訪れることができる交流の場となることが期待されている。